看護師になるための資格取得方法をステップ別に解説

看護師になるための資格取得方法をステップ別に解説

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JobStep編集部
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厚生労働省が衛生行政報告例によると、2014年末時点の看護師数は108万6779人。この数字は過去最多となっています。

ただし総務省統計局の2017年の調査では、総人口に占める高齢者人口の割合は27.7%と、こちらの数字も過去最高。今後病院を利用する人数は増えることが見込まれており、どの病院でも積極的に採用をおこなっています。

今後も需要が高まることは間違いないため、働き口が見つかりやすいことから、人気が高い看護師という職業ですが、どうすれば看護師になることができるのでしょうか。

以下では、看護師として働けるようになるまでに必要となるステップについて詳しく説明していきます。

看護師になるためには資格が必要

看護師として働くためには、看護師国家試験に合格して看護師免許を取得することが必要になります。

看護師は患者の命を預かる仕事です。看護師は患者の健康のために、診察などのサポートをしていきます。時には、命の危険がある患者への対応をしなくてはならず、専門的な知識・冷静な判断能力・臨機応変な柔軟性などが問われます。そのようなスキルがあることを証明するために、資格が必要になります。

この資格を保持することで、看護師として患者の生活ケアや診療補助をおこなうことが可能になります。

看護師育成施設で国家試験の受験資格を取得する

看護師国家試験を受験するためには、看護師育成施設を卒業しなければなりません。一般的には高等学校卒業後に看護師育成施設に入学することとなります。

看護師育成施設には以下の3種類があります。

  • 看護大学
  • 看護短期大学
  • 看護専門学校

看護師教育での特徴としては、病院・施設での臨床実習時間が多く設けられていることです。理論のみならず、実際の医療現場はどんな状態なのか、どのような処置が行おこなわれているのか、どのように理論が実践されているのかを自分たちで体験し、観察・考察をすることにより、より深い理解をしていくことができます。

学校の種類別の特徴は?

ただし、各学校によっても特徴が異なります。

看護大学では4年間通うことになります。一般教養科目が充実しており、幅広い視野にたった学習ができます。看護師だけではなく保健師や助産師などの資格を一緒に取得できることも魅力です。求人募集をするさい、大卒以上を条件にしている病院もあります。

看護短期大学は、一般の短大と異なり、3年制の学校になります。現在はやや数が減ってきています。

看護専門学校は3年間です。大学・短期大学に比べて、現場での実践力を養う教育に比重が置かれています。看護師免許取得後に現場ですぐに使える技術を持って働きたいという方向きです。

また、あまり一般的ではありませんが、看護師試験の受験資格を取得するルートとしては他にも、中学卒業以降に准看護師学校(2年制)や高等学校衛生看護科(3年制)へ進学・卒業して准看護師資格を取得した後に看護専門学校や看護短期大学に2年通う、中学卒業以降に5年一貫の看護師養成課程校に進学するなどの方法があります。

いずれの学校を選ぶにしても、以下のようなステップを経ることになります。

育成施設へ入学する

看護師育成施設に入学するためには、まずは希望の学校を見付けましょう。看護師育成施設には、その学校ごとに特徴があります。病院付属の専門学校か、学生寮の有無、実習先の受け入れ状況はどうか、奨学金制度はどうか等を確認しておくこともいいでしょう。

そのような情報は、学校のパンフレットにて確認したり、オープンキャンパスを開催している学校もあるため、実際に参加し質問して聞いて確認しておくことも大切です。

希望の学校を見つけたら、学校から願書を取り寄せます。願書に必要事項を記入して申請期日までに提出します。その後、学校より受験票が送られてきますので、それで受験資格を得たことになります。

選考方法は一般入試、社会人入試、推薦入試があります。一般入試は筆記試験、小論文、面接となることが多いです。こちらは大学でも専門学校でも一般的には同じです。

筆記試験の試験科目は国語・英語に数学もしくは生物など選択課目を取り入れている場合が多いです。希望する学校の受験科目を確認して、得意科目を選択し合格を目指しましょう。

国公立の看護大学の場合はセンター試験を利用する場合もあるため、自分の希望する学校がどのような選考方法を取り入れているのか、試験科目は何かを必ず確認しておきましょう。

学校で国家試験対策の勉強をする

看護大学は4年間の学習期間があるためカリキュラムを一通り終えた後に、受験対策に使える時間が多くあります。それに比べ、短期大学や専門学校では3年間の学習期間ですので、看護大学に比べて国家試験対策にあてられる学習期間が少ないことが考えられます。

いかに効率よく、モチベーションを保ちながら学習していくかが大切になります。

学校の先生に積極的にわからないことを聞いて苦手克服をしていきましょう。また外部で行われる国家試験対策講座に参加するのもよいでしょう。

看護師国家試験について

看護師試験の受験資格を取得(見込みも可)すると、厚生労働省が施行する看護師国家試験を受けられます。

「保健師助産師看護師法」によって看護師国家試験は少なくとも年1回おこなうことが定められており、近年は2月の第3週の日曜日に実施されています。

2018年の看護師試験の合格者は5万8,682人。受験者のうち96.3%が合格をしています。試験自体はいずれも看護学校・大学で学んでいれば合格できる程度のレベルです。(その分、看護学校が厳しいわけですが。)

以下に詳しく見ていきましょう。

看護師国家試験の受験資格

看護師学校・短期大学に3年間通うことで、看護師国家試験の受験資格を得ることができます。大学や4年制専門学校の中には、看護師と保健師のカリキュラムを統合して学べるところもあり、卒業時に保健師の国家試験受験資格も得られる学校もあります。

学校では、母性看護学・小児看護学・成人看護学・老年看護学・精神看護学などを学ぶことになります。

国家試験の内容

試験問題は、厚生労働省によって取りまとめられた、「保健師助産師看護師国家試験出題基準」に沿って出題されます。試験は筆記テストのみで、下記11分野から出題されます。

  • 人体の構造と機能
  • 疾病の成り立ちと回復の促進
  • 健康支援と社会保障制度
  • 基礎看護学
  • 成人看護学
  • 老年看護学
  • 小児看護学
  • 母性看護学
  • 精神看護学
  • 在宅看護論
  • 看護の統合と実践

出題総数は240題(300点満点)。大きく、必修問題(50題)・一般問題(130題)・状況設定問題(60題)の3つに分けられています。必修問題は1問1点(50点満点)・一般問題1問1点(130点満点)・状況設定問題1問2点(120点満点)になっています。

合格ラインは、必修問題で40点以上取ることにプラス、一般問題・状況設定問題で163点以上/250点の点数を取らなくてはいけません。ただし、必修問題は80%を満たすことが条件の絶対評価となっています。

第98回看護師国家試験(2009年2月22日施行)では、下記のような内容で試験が実施されました。

  • 午前:必修問題(15問:15点)・一般問題(75問:75点)・状況設定問題(30問:60点)
  • 午後:必修問題(15問:15点)・一般問題(75問:75点)・状況設定問題(30問:60点)

全問題マークシート形式で答えることになります。ただし、状況設定問題では、看護過程を理解したうえで判断する力・課題解決力が問われます。必修問題や一般問題はあくまでも基本問題ですが、状況設定問題はいわゆる応用問題で、設問文もかなり長い傾向にあります。

国家試験は、午前・午後合わせて5時間20分

そして100回看護師国家試験では、9時50分~12時30分の午前の部、14時20分~17時00分の午後の部に分かれており、試験時間は合計で5時間20分となっています。

テスト時間は5時間になるとはいえ、単純計算で1問1分程度で解いていかないと間に合いません。そのため、状況設定問題を含め、スピーディーに解いていくことが大切になります。

ただしこれはあくまでも過去の傾向であり、今後予告なく新傾向で出題となる可能性もあります。第106回看護師国家試験がおこなわれた2017年には、これまでと問題傾向が変わり、看護師を目指す若者の批判がツイッターで続々と投稿され、当時はニュースにもなりました。

国家資格取得の難易度は?

合格のボーダーラインは、上記でも少し触れたように以下の通りです。

  • 必修問題:40点/50点(1問1点 80%以上)
  • 一般問題・状況設定問題:65%前後(一般問題130問:1問1点 状況設定60問:1問2点)

一般問題・状況設定問題の点数によってボーダーラインは毎年変動することがポイントとなります。

自分の点数が高くてもその年の受験生の多くが高い点数取っていた場合、合格のボーダーラインが高くなってしまい、合格が厳しくなることもあるため、いかに点数を稼げるかが重要になります。

過去5年の看護師国家試験の合格率は、88%~90%です。

国家試験の対策は?

基本的には、過去問題を解きまくり、覚えていくのが手っとり早い方法です。しかしここで大切なのは、問題の難易度別に取り組み方を変えること。まずは、難易度が低く基礎的な問題集から始めましょう。難易度が高い問題は優先的に取り組むべきではありません。

まずは、絶対に間違えてはいけない問題で点を落とさないよう、基礎を固めていくことが大切です。

そして本番直前には、本番と同じ状況で一度問題を解いておくことをおすすめします。本番は限られた時間内で、問題を解いていくことになります。緊張した空間でもいつもの力が発揮できるよう対策をしておきましょう。

看護師国家試験は毎年同じ傾向とは限らない

注意点は、年によって出題傾向が異なる場合があるということです。実際2009年の試験では、過去一般的だった四者択一問題だけでなく、五者択一・五者択二及び写真など視覚素材を取り入れた問題が出題されています。

そのため過去問題だけやっていれば合格できるものではないことも考えられます。自分がどの分野が苦手なのかを浮き彫りにし、全くわからない状態で問題に答えるという状況を少しでも減らすことが大切になります。

また友人に問題を解説することで、自分の理解度を確認することもできます。相手が理解できるように説明するためには、自分が理解していないとできないからです。自分に合った学習方法を見つけて看護師国家試験に合格できるようにしましょう。

国家試験の勉強はいつから始めるべき?

多くの学生は3年生になると、試験対策を始めます。しかし3年性は実習が始まる時期でもあります。実習で勉強したことを、覚えていくのはこう散る的な方法ではありますが、実習に試験勉強にと、いっぱいいっぱいになってしまう学生も少なくないでしょう。

必ず出題される必修問題は、50点分ある上に、基本中の基礎問題です。2年生のうちからこの必修問題などの勉強をはじめておいても損はないでしょう。

試験に合格したら免許の申請と就職活動

看護師国家試験に合格した後、免許の申請を行い申請が受理されると看護師として働くことが出来ます。

看護師国家試験は、保健師助産師看護師法において業務独占に当たるため、免許申請せず、登録前に有資格者として業務を行った場合、行政処分の対象となるため注意してください。

申請書類は、地方入局管理局窓口、法務省ホームページにてダウンロードすることができます。申請書に必要事項を記記入し住所地の保健所へ持参して提出します。

申請書類と共に「戸籍抄本(謄本)」「健康診断書」「登録免許税(収入印紙)9,000円」「写真(縦4cm×横3cm)1枚」「登録証明書用はがき」が必要になるため不足のないように準備をしておきましょう。

看護師の就職先は?

看護師資格保有者は、基本的には病院への就職を主に考える人が多いかもしれません。しかしほかにも、企業の医務室・老人ホーム・保育園・乳児院、児童養護施設・大学の保健室・献血ルーム・美容クリニック・イベントナースなど働ける先はいろいろあります。

就職先を選ぶときは、自分の働きたいことができる企業を選ぶべきです。「手術室で働きたい」のか「子どもと働きたいのか」、それとも「月25万円の給料がほしい」のか、自分の希望を明確にしたうえで、勤務先を選びましょう。

働く先、診療科によって、働きかた・給与も大きく変わるので、注意が必要です。