助産師になるには?必要な資格のとり方や通うべき学校について解説

助産師になるには?必要な資格のとり方や通うべき学校について解説

J
JobStep編集部
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助産師は妊婦の出産を手助ける「助産行為」の専門家で、出産時のみならず妊娠期や産後の妊産婦・新生児のケアまで幅広く妊婦とその家族を支える職業です。

かつては「産婆さん」、「助産婦さん」などと呼ばれた資格がありましたが助産師はその発展形であり、医師と同様に開業権も認められています。

日本看護協会によると、2016年時点で助産師の数は3万9,613人で、過去10年間を見ても毎年1,000人ほど増加しています。勤務先としては6割ほどが病院であり、診療所が次に多くなっています。

今回は、助産師になるために必要な資格やステップを解説していきます。

助産師になるためには?

助産師になるためには、助産師国家試験に合格することが必要です。この助産師の試験は、看護師資格を取得したうえで助産師学校養成所を卒業している女性でないと受験できません。

そのため、まずは看護専門学校または看護系の大学・短大を卒業した後、看護師国家試験に合格する必要があります。

看護師の資格を取得したあと、助産師国家試験を受験するための資格を取得するために助産師学校に通い、その後で助産師国家試験に合格すると、晴れて助産師になることができます。

つまり看護師試験に合格した後に助産師の国家試験受験資格を得るための方法としては、助産師学校に通うということになりますが、助産師学校には大きく分けて下記の3つがあります。

大学院

助産師になるための教育過程として代表的なものの一つは、大学院に進学するというものです。

大学院は2年制で、助産師の国家試験受験資格に加えて、理論や研究方法を学び、修士の学位を取ることができます。

専門課程では座学はもちろん病院や助産所にて妊娠期、分娩期、産褥期、新生児期など一通りの実習をおこないます。また、女性のライフサイクル全般に対する知識も必要になるので、妊婦へのアプローチだけでなく家庭訪問や小中学校の思春期教育、女性の保健ケアなども実施する養成機関もあります。

なお、看護師資格をすでに保持しているとはいえ、決められた時間の中で多くの講義と実習をこなす必要があるため、仕事と学業を両立させるのは難しいです。

大学・短大の専攻科・別科や、助産師の専門学校

もう一つ、助産師学校の種類として代表的なものは大学・短大の専攻科・別科や、助産師の専門学校です。こちらは1年制で、助産師になるための学習を集中的におこないます。

座学・実習の内容は大学院で学ぶものとほぼ同じですが、各学校独自のカリキュラムがあり、学校によって多少科目や実習期間が異なります。もちろんこちらを卒業することでも助産師の国家試験受験資格を得ることができます。

4年制大学の助産師養成課程に入る

ごく一部にはなりますが、4年制大学の助産師養成課程では、看護師の授業と助産師の授業の両方を受けられます。

早い段階から助産師になりたい場合は、そういった学校を探しましょう。同時に必要な授業を受けることができるので、別々で受講するよりも時短になります。しかし、看護師と助産師の勉強を同時に進めるので、学生時代に必要な勉強量は非常に多くなります。

助産師試験について

助産師の養成学校を卒業すると、助産師試験を受験できるようになります。

試験内容や合格率などについて詳しく見ていきましょう。

受験までの流れ

助産師国家試験へ受験を希望する人は、助産所養成機関を卒業する年の4月から8月の間に書類にて申請します。

その後10月に資格認定の審査がおこなわれ、認定者には11月に認定書が交付されます。認定書を交付された人は11月から12月の間に国家試験受験手続をおこない、2月に試験を受けます。なお、合格発表は3月下旬となっています。

具体的な試験内容・勉強する際のポイント

助産師の試験は国家試験となり、試験は午前・午後に分かれて実施され、各55問が出題されます。科目は以下の通りです。

  • 基礎助産学
  • 助産診断・技術学
  • 地域母子保健
  • 助産管理

問題の種類は、知識を問う「一般問題」と具体的な事例や状況に対する設問である「状況設定問題」があります。「状況設定問題」の方が1問当たりの配点が高いため、高得点を取るには文章読解能力が非常に重要となってきます。

資格取得の難易度

助産師国家試験の合格率は平成29年度で98.7%、過去5年間を見ても93%~99.9%と高水準をキープしており、助産師学校で勉強をしてきた受験者にとっての難易度は比較的低いといえます。

この背景には、助産師学校の入学難易度が高いことがあります。助産師学校はその数自体が少なく、受験者数も多いので入学の難易度は非常に高いです。看護学校と比較すると数が少ないため、倍率が高くなる傾向にあり、平均で3.0倍と言われています。看護師はだいたい1.6倍程度のため、やはり助産師養成所に入るのは難関です。

また、助産師学校でも看護師免許を取得した後でさらに専門機関で1年~2年間勉強して単位を履修する必要があるため、こちらも楽な道ではありません。つまり、苦しい道のりを乗り越えて助産師国家試験を受験するにこぎつけた人はみな意識が高く、それなりの専門知識を身に付けているということが言えるでしょう。

助産師のキャリア

国家資格を取得した助産師は、基本的にはファーストキャリアとして病院や産婦人科に就職します。助産師の数が減少傾向にあるので、資格さえ持っていれば就職も困難ではありません。

その後は下記のような資格を取得しながら、助産についての専門知識を深めていきます。

・新生児集中ケア認定看護師

・看護師の特定行為研修

就職先の病院で出世をしたり、助産院を開業して独立する人もいます。

看護師から助産師になるべき人は?

看護師から助産師になる場合、どのような人が適しているのかを見てみましょう。

妊婦と新生児を支える熱意がある人

助産師は、命を扱う現場なので精神力が求められます。医療の発達で、妊婦が出産で命を落とす確率はだいぶ減りましたが、それでも約0.003%の確率で亡くなる可能性があるといわれています。(参考:わが国の妊産婦死亡率(出産10万対)の年次推移|厚生労働省

そのため少しでも安全に赤ちゃんを産むことができるよう、妊娠中からのサポートが欠かせないのです。さらに出産は長時間に及ぶものなので、体力も必要です。出産するお母さんも大変ですが、取り上げる助産師も大変なのです。

ほかにも、優しい心が求められます。妊婦は体調も安定しにくく消極的になりやすいので、心のケアも欠かせません。妊婦の心に寄り添うことができる優しい人が助産師には向いています。

助産師になるまでは大変ですが、命の誕生を取り上げる素晴らしい職業です。

進学休職制度が使える人

看護師が中途から助産師を目指す場合、進学休職制度が使える人は助産師になりやすいといえるでしょう。看護師として働きながら助産師学校に通うことはとても困難なため、病院やクリニックでは進学のための休職制度を設けている所があります。

通っている間は無給になってしまいますが、病院に所属しながら学校に通える人はぜひ利用すべき制度です。

看護師を退職してもよいと思う人

同じく、看護師が中途から助産師を目指す場合、看護師の退職を視野にいれられる人も転職しやすいと言えるでしょう。

前述の通り働きながら助産師学校に通うのは難しいため、退職して学校に通う人が多いです。また、働きながら助産師学校に入るための勉強をして、合格した後に退職する場合もあります。

将来のために割り切って退職を決断できる人は助産師を目指してみる価値はあります。

資格取得におすすめの学校

国立看護大学校

東京都清瀬市にある4年制の大学です。基礎知識から実習までしっかり学ぶことができます。4年次にはベトナムの医療系大学の協力のもと、現地の看護学生と一緒に医療現場の見学や家庭訪問などに参加するなど、グローバルで充実したカリキュラムです。

日本赤十字社助産師学校

助産師について1年間学ぶことができる専門学校です。日本赤十字社医療センターの隣、日本赤十字看護大学の6階にあります。同じ建物内に日本赤十字社幹部看護師研修センター、認定看護師研修施設があるなど、専門的な環境が魅力です。

助産師養成機関は全国に100以上あり、専門学校、大学、大学院など様々な進学先がありますが、看護師免許を取得したのちに大学や大学院に進学するのは敷居が高いため専門学校を目指す人も多いようです。